ドン・ボスコ聖堂は、聖堂としては珍しく、立方体に近い箱型をしている。
四隅に紫色のステンドグラスが配されているいる以外は、すべて青色のガラスで包まれている。
ガラスの一部が換気のために開閉できるようになっており、そこからあたたかい太陽光が差し込む。
中央には信じられないくらい大きなシャンデリアが吊るされているのだが、
天井が高いためか、不思議にバランスが取れている。
1883年、まだブラジリアが荒涼とした未開の大地だった頃、
イタリア人聖職者Dom Boscoがこの地にユートピアを作ろうと計画したことに由来して建設されたそうだ。
ステンドガラスに包まれたやさしい青色の空間。
まるで海の底から水面でキラキラ輝く太陽の光を見上げたときのような、不思議な感覚になる。
なんだかなつかしくて、心が安心しきっているのを感じる。
何か大きなものに守られているような、包まれているような気持ち。
ああ、母の胎内にいたときはこんなだったのかな。
聖堂の椅子に腰掛け、心静かに青の空間に浸っていた。
ふと気がつくと、斜め前の女性が息を凝らすように肩をふるわせながら泣いていた。
いつまでも、いつまでも。
ちょうど、日本では大地震と津波が起こり、ネットに繋ぐたびに目をそらせたくなるような状況が伝えられていた。
泣いている女性に何があったのか分からない。
ふるえる肩を感じながら、私達も、ただただ祈っていた。
どんな時も必ず光がある、それを自分達にも言い聞かせるようにして祈った。
祈りの力を信じて。
Surrounded by Blue Light
青の光に包まれて
2011-03-12
at Brasilia, Brazil (ブラジリア, ブラジル)
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Santuário Dom Bosco ドン・ボスコ聖堂
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